現代哲学のお話をしていると「なるほど、それは、物事を客観的に見るということですか?」というご質問をいただきます。
はい、全く違います。
「客観的に見る」という言葉をよく調べてみると「客観的」に見ている人は誰か?ということになります。
それは「見ている人」自身であり、それって「主観」なんじゃないの?というお話。
よく現場で「あの人(部下)は物事を客観的に見られない」という愚痴をいただきます。
ええ、もちろん、言いたいことはよくわかりますよ。
その部下は何かにつけて感情に囚われたり、視座が狭かったりで「自分目線」でしか物事を見られないのですよね。
上司としては、もう少し頑張って欲しいところです。
でも、よくよく調べていくと、その人に物事を「客観的」に見る能力があるかどうか以前の問題として、そもそも仕組上、人は「客観的」に物事を見ることはできません。
そこを理解した上で「客観的に見る」という表現が何を意味しようとしているのか、ということをしっかりと理解し、言語化出来ていないと、説明はぼやっとしたものになってしまいます。
なんとなく理解しているから、なんとなくしか説明出来ない。
哲学の知識は物事の理解を明晰にし、表現力を冴えわたらせてくれるツールです。
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