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【集中連載 02】はじまりの物語 

みなさま、こんにちは山田です。集中連載第二話をお届けします。

まだ第一話を読まれていない方は、是非そちらからお読みくださいね。

それでは、本文どうぞ。                  

ゼロからのスタート

第1話では「普通の社会人が(地に足をつけながら)哲学を学べる場」を創るという構想について書きました。

そういうことを堂々と書いている私自身、決して哲学科出身の人間ではなく、ゼロから哲学を学び始めた者です(※)。

※ もともとは「三国志」育ちの東洋思想系の人間、あと、出身は理系だし… 

「哲学」や「教養」「思考力」みたいな分野が流行りだしたのはここ2〜3年ぐらいだと思いますが、私はそれに先立ち2014年から哲学を学んできました。早いもので、かれこれもう7年になりますね。  

「クレメンティア」の源流   

「誰から学んだのか」というと、このクレメンティアの源流にはある「伝説」のトップセールスマンがいます。私も含め、日々投稿する講師陣の師にあたる存在です。        

「伝説」とかいうと、またアヤシくなっちゃうのですが(笑)、そのセールスマンが「伝説」として語り継がれている理由は、彼の特異なスタイルと驚異的な実績によるものです。      

全国でビジネスセミナーを開催し、数十万円のビジネス教材を成約率50〜70%で販売。何年にもわたって年間数億円を一人で売り切ってきたというのが実績。       

そして、そのスタイルは決して押し売りではなく、セミナー講師として淡々とセールストークを語っていくだけのもの。 

このような特異な手法と常識を越えた圧倒的な実績により、知る人ぞ知る存在となり、多くのプロフェッショナル達も彼に指導を乞うてきたと聞きます。

セールスマンと哲学と売上     

さて、ここまでの話、なぜ「セールスマン」が「哲学」を教えているのかという点に疑問を持たれる方も多いと思います。    

その問にお答えすると、脅威の成約率と売上をたたき出す「セールストーク」が哲学の考え方をもとに構築されていたものだったからです。

哲学を深く理解したビジネスパーソンが「セールス」という職業ですさまじい実績を上げ、その実績を背景に私塾を立ち上げた場、それが私が哲学を学んだ「山本哲学塾」という場でした。

塾の主宰者となった伝説のセールスマン、山本雄一郎氏のもとには、多くのビジネスパーソンが集まり、高額な場ではありましたが、多いときには200名を超える社会人が、彼のもとで哲学を学んでいました。

そして、山本氏もそれに応え、多くの参加者のビジネスや人生を導いてきました。 

わかりやすく、実用的に。

哲学を教える先生は世の中に大勢いらっしゃるかと思いますが、ビジネスや人生、そして日常に活かしていくという観点では、山本さんは日本一わかりやすくかつ的確に哲学を教えられる人物だと思います。

私自身に関しても、何のコネもなくゼロから立ち上げた、この吹けば飛ぶような「コーチ」というこの職業、実際、多くの方が生計を成り立たせることができず、去って行く「多産多死」の世界です。             

そんな中でも、裸一貫から「エグゼクティブコーチ」として大企業の役員室に出入りできるようになるまでステータスを上げることが出来たのは、山本さんに教えてもらった「哲学」の考え方によるもの。    

哲学を考え方の核とし、一つひとつの仕事で結果を出し、「心ある人」から見つけていただき、ご縁に恵まれ、さらに大きな舞台に立たせていただく。その繰り返しでここまでやってくることができました。

「私塾」の枠には収まらない人

ただ、時の経過と共に明らかになってきたのは、この山本さんという人物が「私塾の主宰者」でおさまるような人ではなかったということでした。     

私塾の運営も5年ほど経過する中、元々ご自身の中にお持ちであった社会に対する問題意識をより強く発信されるようになり、ご自身の方向性も「私」から「公」に、具体的には「学術支援」の方向へ舵を切って行かれました。

それにより、ご自身の私塾は2019年度をもって閉鎖。      

並行して、同年に「学術支援団体」を立ち上げ、参加者とも協働しながら「哲学」をはじめとする「メタアカデミズム領域」への支援に携わるようになりました。 

「メタアカデミズム領域」は、抽象度が高く、産業との接点が薄いため、企業からの研究資金の集まりにくい領域です。    ただ、学術の最上流であり社会の礎を創る大事な分野。山本さんの組織する学術支援団体はその分野に重点的に寄付活動を行ってきました。

おかげさまで、この取組は評価され、2021年からは、東京大学大学院総合文化研究科、同社会連携本部 様との連携のもと「東京哲学会議」を立ち上げ、我が国の哲学研究を支援する取組をさらに推進しています。           

なお「東京哲学会議」には私自身も「特別貢献会員」として参加させていただいていますが、こうした支援を通じて、アカデミズムの最前線の情報にも触れられますし、東京大学監修のコンテンツを通じて日々、研鑽を続け、認識を新たにしています。

ひとつの大問題。

さて、ここまでは背景について説明してきました。

もちろん、これはこれで素晴らしい話だとは思うのです。        

ただ、私の視点からこの状況を見ますと、かつて山本氏が開いていた「私塾」のように、日々、日常のリアリティと向き合う普通の大人が哲学を学ぶ場がなくなってしまったことについては大きな問題意識を持っています。     

そして「誰かがこれをやらなければならない」と常に危機感を抱いていました。     

そういう気持ちを持ち続ける中、いろいろなご縁やプロセスが重なり、私自身も人生の大きな流れの中で、このお役目を引き受けていくタイミングかなと直観するところもあり、この度「社会人が地に足をつけて哲学を学ぶための新たなスクール」開講の主宰者として起とうと決意した次第です。

次回予告

次回は、多くの人のビジネスや人生のあり方をアップグレードさせてきた「哲学」という学問について深掘りしてお伝えしていきたいと思います。            

世の中的には「哲学」という言葉自体が大いに誤解されており、概念自体が大きく混乱しています。

ですので、明日の投稿を読んでいただくだけでも、人とは違った視点を持てる内容となることお約束します。           決してお時間を無駄にはいたしませんので、どうぞ楽しみにしておいてください。

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この記事を書いた人

クレメンティア代表世話人及び「西洋哲学塾」塾長。

普段は「エグゼクティブコーチ」として、上場企業から気鋭のベンチャー企業までシニアリーダーのリーダーシップ学習を支援。現代哲学に基づくクライアント自身の視座が上がるコーチングが特徴。「東京哲学会議」特別貢献会員。

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