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【導入04】「クレメンティア」なあり方とビジネスの成功について

こんにちは、クレメンティア世話人の山田です。

さて、いきなりですが誤解を怖れずに申し上げると、成功すること自体はそれほど難しいことではないと私は思います。

本当に難しいのは成功し続けること。

哲学の学びを進めればその理由が深く理解できるようになるのですが、ビジネスで成果を残していくには「他者との違い」を明確に創り出す必要があります。

それは、言い換えると「あなたから買う必要がある理由」をどう顧客に理解してもらうかということ。

ですので、私たちは一生懸命「マーケティング」なるものを学びます。そこで教えられるのは「ターゲットを絞りましょう」とか「ペルソナを設定しましょう」とか「キーワードを設定しましょう」いう非常に具体的な教え。

マーケットの実情

でもね、実際にマーケットを見ると少し違うものが見えてきます。

例えば、レッドオーシャンの代表格、多産多死の典型である私の棲むコーチング業界を見てみると、「リーダーシップ」とか「あなたらしさ」とか「自分らしさ」とか、ありきたりなキーワードにはすでに先行者がどっしり鎮座していて入り込む隙はありそうにありません。

「別の観点から」と、後発組が対象を細分化して「○○専用コーチ」とか名乗っちゃうと逆に自分でマーケットが狭めてしまうことになってしまう。

どっちに行ってもなかなか抜け出すのは難しい世界です。こんなジレンマ、どの業界にもあるんじゃないでしょうか。

では、このジレンマを乗り越えるためにどうするか?

ビジネスをしていく上ではとても大事な問だと思います。

そのジレンマの乗り越え方

私たち講師陣は哲学を学び、それをビジネスに活かしていくことでこのジレンマを乗り越えてきました。

そのポイントは「違い」を創り出す際の視座の置き方。

他者との違いを出そうとするとき「機能面」とか「手法」など、具体的なところで違いを出そうとすると、どうしても表現が他のプレイヤーを排除する形にならざるをえません。

このとき、他のプレイヤーに配慮して表現がユルくなると伝わらないので、自ずと味付けは濃いめになってしまいます(ユルい人は消えていきます。)。

成功している人はどこかの側面で必ず「強い」表現をしていますし、押しの強い人も多いですよね。

残念ながらその姿はあまり美しくはない(いいかえると「あざとい」)。

さらに、物事は因果応報、強い表現は必ず別の強い表現を呼び込みます。他者もその強い表現に対抗するために別の強い表現をせざるを得ず、こうして、マーケットの中でどんどん表現が強くなっていきます。

そして最終的には顧客自体がそうした強い表現に「不感症」になっていく…。

ひとつのマーケットが枯れていくプロセスってだいたいそんなもんじゃないかな。

「こういう違いがあるんです!」

「こうなりますっ!」

っていくら言ったって、そんなもん嘘だってみんなわかっている。

同じ地平線上で「違い」を演出してみても、マーケット自体の次元はあがりません。ラッキーパンチはあるかもしれませんが、このパターンでは成功し続けることは難しいでしょう。

「違い」の造り出し方の違い

さて、前回「メタ認知」という概念をお伝えしました。

私たちは哲学を学び、こうした概念を取り入れ、視座を上げる事で「抽象度」において他のプレイヤーとの違いを創り出す事が出来るようになりました。

「抽象」といっても、それは単に観念的なことを述べるということではありません。

今回参加している全ての講師に共通する点は、抽象度の高いものの見方や考え方から現実を見透し、その上で自分の世界観を確立し、そして、関わる人にリーダーシップを持って道を示していける力を備えている、という点です。

「抽象度が高い」と言うことは、他者を排除せずに、それを含んで「さらに先」の世界を見せていくことが出来るということ。

顧客はそこに「提供者の懐の深さ」を見いだし、ご自身がまだ見ぬ世界への期待感を抱いていかれます。

寛容さとともに生きる

このコミュニティのタイトル「クレメンティア」は「寛容」という意味をあらわすラテン語です。

この資本主義社会で生きぬいていく際、上で述べたように他者を排除せずに、他者に対して寛容であるという事は非情に難しいことで、深い知性と本当の力量を備えた者にのみ可能な美しいあり方だと私は思います。

その力を哲学が与えてくれます。

もちろん、私たち講師陣もまだまだ道半ば。日々、そうしたあり方を目指して果てのない道を歩き続けています。

ご登録のみなさまにおかれましても、是非、末永くお付き合いいただき、共に本当の成功を手にしていければと思います。

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