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【導入03】あなたの次元を上げる最上位の学問

こんにちは、クレメンティア世話人の山田です。 

さて、前回の記事では、各業界で結果を残してきた講師達が人知れず抱えてきた閉塞感を脱し、より大きな成功に近づくためのカギが「哲学」というリベラルアーツにあるということをお伝えしてきました。

最初に結論を申し上げると、カギが哲学であるという説明の理由、それは哲学が最上位の学問であるからということにあります。

このことをご理解いただくために、少し私が棲む業界の例を取り上げて説明させてください。 

学びの業界の無限ループ

私、実業対応のビジネスコーチをしていますが、業界を見ておりますと、人に関するコンテンツもいろいろなものが出ています。

そんな中、我が業界に棲む人達を観察していますと、多くの人がそれらを習得できずに、また次の新しいものに手を付けているという様に出会います。  

爽やかな顔で「さぁ、今年はこれを学んだし、来年は何を学ぼうかな」みたいな発言を聞くとひっくり返りそうになるのですが(学習を「スタンプラリー」かなんかと間違えているのでしょうか?)、

そうなってしまう構造的な要因は確かに存在します。 

A層、B層、C層…

例えば、「コーチング」は「心理学」の一部をある目的のもとに切り出したものです。そして「心理学」は「哲学」の一部を切り出したもの。

同じく心理学の一部を別の目的のもとに取り出したものとしては「カウンセリング」などがありますし、全く別の切り口では「NLP」とか「○○心理学」と名のつくような便宜的に一部を切り出したナントカ理論がありますよね。  

この階層構造を、便宜上、A層、B層、C層として図式化してみます。 

哲学は最上位の学問

「わかりやすさ」の代償

ここで、多くの人はC層にあるコンテンツを行き来しているわけですが(人によってはさらに具体のD層…)、C層のコンテンツは上位にある学問領域の知識を実用目的(時に商業目的)によって一部を抜き出し再構成したものです。 

そして「コンテンツ」を商業ベースに乗せ、広く流通させるために行う加工が「わかりやすさ」を重視し、多くの背景情報をそぎ落とすという行為。   

こうした「コンテンツ」を複数学び続けるとどうなるかというと、コンテンツ同士の齟齬が見えてきます。   

「NLPではこう言っているけど、コーチングではこうで、ナントカ心理学では…」みたいな形で混乱しよくわからなくなってきます。  

そして、私たちはその混乱を解消するために、また「新たなコンテンツ」に答えを求めることになる。

商業コンテンツの無限増殖

この構造を少し別の視点から見てみましょう。ビジネスの上流にいる視点の高い販売者は「切り抜き方」を変えることで無限に新しいコンテンツを作り出すことができます。 

ですので、あたかもピザを切り分けるように、どんどん「新しいコンテンツ」を提供してくる。そして、世の中の流れに合わせてトッピングしてくれるのでとても美味しそうに見える。 

こうして、私たちは美味しそうに切り分けられたピザ(=教育コンテンツ)の消費者として、あたかもそれが新しい者であるかのように錯覚し、お金を払い続けることになるのです。 

それでは、知識は増えても思考の次元は上がりません

こうした「学びの業界の無限ループ」やっぱり断ち切っていかないと、健全じゃないです。

学びに熱心な人を更に迷わせ「消費者」に仕立て上げてしまっている現状は社会の損失であり、同じ業界に住む者として深い憤りを覚えています。

誰も教えてくれない、無限ループから脱出するための力

だれも教えてくれない世界の真実を言いましょう。

それは、何かを学ぼうとするとき、大事なことは、「コンテンツ」をわかりやすくして商業ベースに乗せるためにそぎ落とされた背景情報を、自分で埋められる力であるということ。 

それが抽象度高く物事を考える力。言い換えると「メタ認知」の能力です。

例えば、コーチングでは「質問が大事」と言われます。

この事については、業界の人があつまると「どんな質問が効果的か」とか「(時間軸とか空間軸とか)どのような視点から質問すれば良いか」とか、すぐに具体的な方法論が語られます。

でもね、私の実感値としては、

・「そもそも質問とはなにをするものなのか?」

・「どういう文脈で質問が「大事」だと言われているのか」

・「質問することのメリット/デメリットとは?」など、

よりメタ認知されたところから理解して、いつでも自分の言葉で語れるぐらいでないと、質問はなかなか機能しないと思っています。  

具体的な手法や方法論ではなく、普通の人には見えない「より大きな枠組」に着目できる能力。これが抽象思考力であり、メタ認知能力です。

このフィルターを身に着けると、日常においても普通の人が見えないものが見えるようになり、発言の影響力は変わってきます。

能力向上の複利計算

以上は一つの例ですが、このレベルの思考が習得できるのが学問の最上流に位置する「哲学」を学ぶ意義であり、真に自分の言葉で「意味のあること」を語るための糸口になるものです。     

ここまでの説明、もしかしたら「私には難しい」と思われたかもしれません。

でも、大丈夫。哲学の知識は知っているだけで「問」の質が変わります。そして、問の質が変わると、普段の生活の中でも受け取れる情報の質が変わってきます。 

この感覚、個人的には、金利が複利で積み上がっていくような感覚を持っており、中長期的には大きな資産となってあなたの仕事や人生をブレイクスルーさせていくことになることでしょう。  

そうなるように私達もいろんな角度から語らせていただきます。

引き続きお付き合いくださいませ。

次回投稿では、哲学を学ぶことを通じて到達する、私たちが考える「成功」について明らかにしていきたいと思います。

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