水道の蛇口のような文脈操作

私たちが哲学を学んだ先生は、もともと「セールスマン」でした。

全国を渡り歩き、数十万円のビジネス教材をセミナーで顧客に提案、年間2億円以上の売上を数年にわたり会社にもたらし、そのセミナー会社の業績拡大に大きく貢献してきた人物です。

そのメソッドの核心は、哲学思考から繰り出される「語り」。

驚異的な成約率をたたき出されてきましたが、煽ることなく、脅すことなく、淡々とスライドを繰りながら、人の考え方自体を根底から変えていく論理展開です。

私自身はコーチとして起業して一年も経たない頃、この方の存在を知りマネタイズを学ぶために、当時開催されていたこの方が主宰の「哲学塾」の門を叩いたのでした。

ただ、あるとき、気づいてしまったのです。

この考え方は「コーチング」にも使えるぞ、と。

哲学はいわば「高抽象ノウハウ」ともいえる「考え方」の宝庫です。

このような抽象度の高い考え方、すなわち「考え方自身を司る考え方」を身につけると、(あまり大きな声で言うのは憚られますが)他者の「考え方」に作用することができるようになります。

相手の思考の出口が「その商品が必要だ」という方向に狭まっていけば売上が立ちますし、逆に、選択肢が増える方向に関わることができれば(その人が囚われていた考え方から脱し)視野が広がり、結果としてクライアントの行動促進につながる。

「選択肢を狭める」ことと「可能性を広げる」こと、方向性は全く逆ですが、メソドロジーの基盤は共通。

あたかも、蛇口を開け閉めするように、自由自在に相手との文脈に関わり、人の考え方に関われる。

西洋哲学とはそのような可能性を持った学問であることを理解したのです。

これを知れば、セールスで語られているような「心理操作」とか、心理学の世界で語られているような人の心理の傾向などは何か「止まった世界」に見えてきます。

現実は、そんな単純な法則には左右されず、もっとダイナミックに複雑に動いています。

そのような「手法」を学んでも、多くの人が成果を出せない理由もよく理解出来るようになりました。


そして、これは現代の世界そのものをつくっている考え方。

私自身、多くの企業のリーダーや現場に関わる中で、この世界観を知らないことにより、社会の様々な場面で多くの損失が生じていることを身をもって経験してきました。

そして、我が国自身も、それを知らないが故に多くの損をしていると考えています。

知らないことによる人生や社会としての損失は大きいです。


その後、幾星霜研鑽を重ね、様々な現場を体験し、自分でもビジネスをしたりもしまして、今度はこの世界観を世の中に広くお伝えしていくという立場に回ることになりました。

これが、この「クレメンティア」という場であり、現在立ち上げ準備中の「西洋哲学塾」です。

詳しくは「集中連載」にまとめておりますので、是非、ご一読になられてください。

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この記事を書いた人

クレメンティア代表世話人及び「新・哲学塾(仮称)」設立準備室室長。

普段は「エグゼクティブコーチ」として、上場企業から気鋭のベンチャー企業までシニアリーダーのリーダーシップ学習を支援。現代哲学に基づくクライアント自身の視座が上がるコーチングが特徴。「東京哲学会議」特別貢献会員。

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