こんにちは、ひぐちまりです。
モナコに本部があり、モナコの国家元首アルベール大公が名誉顧問総裁を勤められている慈善団体の日本支部の副代表理事を務めています。
その関係もあり、モナコの王室が主催するチャリティパーティ「薔薇の舞踏会」に参加したりロイヤルファミリーの方とパーティをご一緒したりする機会もあります。
そんな機会を得る世になったのは、2つのことを学んだからです。
一つが哲学、一つがプロトコール(国際儀礼、外国儀礼)。
哲学が知の最上位概念であるならば、プロトコールはマナーの最上位概念です。
エチケットが個人間の礼儀作法やマナーを意味するのに対し、プロトコールは国家間の礼儀作法、最も正式なマナーを意味します。
国を代表する王室や皇室の方が必ず身についけていることから「ロイヤルマナー」とも言われています。
私は「哲学とプロトコール」この2つに、多くの類似性を感じます。
ウエディングプロデュースの会社を運営していた頃は新郎新婦に、「ウエディングプロトコール」としてテーブルマナーと、エスコートを教えていました。
様々な経験から、海外でトップの人の仲間に入るならマナーを知ることは必須であると知っていました。
テーブルマナーを知らなければ、ランチの席に同席すらできないのです。
私がマナーを教えた新郎新婦たちはその重要性を理解してはいなかったですが、それは問題ではありませんでした。
結婚式を担当した新郎新婦が、いつか将来、海外で活躍するチャンスをつかんだ時にマナーを知らないことで野蛮人扱いをされないように、堂々と振る舞えるようにという私の勝手な思い出やってましたから。
今でも時々、テーブルマナーなどのレッスンを開催することがあります。
私のレッスンでは、基本的なマナーの知識はお伝えしますが、それが目的ではありません。
一番の目的は、
「テーブルマナーに関して、自分で考え、判断できるようになる。
この先、テーブルマナーで一生不安になることはない」ように、そして「どんな席でも、誰と一緒でも、堂々と振る舞える」ことです。
そのためには、「ノウハウ」をお伝えするだけでは不十分です。
『「体系化」という名の商品化』で山田さんが書いていたように、その背景にある枠組みや、世界観を理解することが必要です。
前提となる世界観が理解出来ていないと、残念ながらそのノウハウ自体が正しかったとしても機能しないのです。
「ノウハウ・やり方」という部分だけを学んでも、自分で状況を読み解いたり、判断する術がなければ初めてのケースに遭遇するたびに、「この場合はどうしたらいいの?」とありもしない正しい答えを求め、不安はまとわり続けます。
状況によっては、時には、あえてマナー違反をすることが最上級のマナーになることもあります。
そのレベルは、世界観を理解している人だからこそ、できることです。
つまり、マナーにおいて世界観を捉えた上での学びは、思考力・教養、人間力につながりますが、ノウハウだけの学びは、パーツの寄せ集まりで、いつまでたっても不安は消えず、思考力も上がらないということです。
私は哲学にも、同じことを感じています。
哲学という知の最上位概念を学ぶことで思考力を鍛える学びと誰かの成功体験から導かれたノウハウという部分的な学びから得られるものには雲泥の差があることは言うまでもありません。
お手軽で、わかりやすくて、やった感があるのは、結構、後者の成功法則やノウハウの方だったりしますけどね。
誰でも、簡単にわかることばっかり学んだって、仕方ないじゃないかと思うのは私だけでしょうか?
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