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「体系化」という名の商品化

こんにちは、山田です。

自分の能力上の課題や企業の組織課題を考える際、私たちはどうしても「スキル」や「メソッド」に目が行きがちです。

僕らの業界ならコーチングやファシリテーションのスキルですし、仕事を進めるためにはマーケティングのフレームワーク、問題解決の手法、生産性向上のためのアレコレ etc…

ですので、「体系化」と称して商品化されている「スキル群」は世の中に大量にあふれています。

先日も「組織能力向上のためにファシリテーションの研修をしているんだけどなかなか機能しなくて…」とご相談をいただいたので資料を拝見させていただいたら、

しっかりと体系化はされているものの「これをそのまま伝えても機能しないだろうな…」と感じてしまうようなものでした。

聞かされている方はしんどいだろうなと…


どんな「スキル」や「メソッド」にも、その背景となっている枠組や世界観があります。

その世界観とは専門的な哲学用語を使うと「エピステーメー」とも表現出来るのですが、これらは非常に観念的な話なので「体系化(=商品化)」にあたってはバッサリと省略されることが常です。

でも、前提となる世界観が理解出来ていないとそ、残念ながらそのスキルは機能しません。

だって、スイングをする際の体の構造や使い方が理解出来ていないのに、どんな良いゴルフクラブを買ったって機能するわけないじゃないですか。それと同じです。


前述の「ファシリテーション」のご相談についても、私からは

「なるほど。ファシリテーションについてはそれを成立させるための世界観が大事なんです。そこが理解出来るとこの資料も活きてきますし、現場での活用も非常にスムーズになりますよ。」

とお答えしたところ、「ぐぐぐっ」と、前のめりにお話を聞いていただけました。

お仕事ってそうやって始まっていくのではないかと思います。

以上、私なりの哲学の活用方法でした。

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この記事を書いた人

クレメンティア代表世話人及び「西洋哲学塾」塾長。

普段は「エグゼクティブコーチ」として、上場企業から気鋭のベンチャー企業までシニアリーダーのリーダーシップ学習を支援。現代哲学に基づくクライアント自身の視座が上がるコーチングが特徴。「東京哲学会議」特別貢献会員。

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