アメリカの心理学者アブハム・マズローが提唱した「欲求の5段階説」をご存知の方は多いのではないでしょうか。
彼は晩年、5段階の欲求階層の上に「自己超越」(第6欲求)の段階があると発表し、この領域に達することができるのは全人類の2%程度で稀なケースだと言いました。
簡単に言えば「やりたいこと(願望、理想、目標)を掲げても多くの人は実現できません。」ということです。
「欲求の5段階説」を知っているのと、「願望を実現する」のはまったく視点が違います。
願望を実現できる人と、できない人の違いは何なのでしょうか?
私は、小学校教師をしていた時代から含めると37年間、何かを教える仕事に携わってきました。
そんな中でよく聞く言葉は、「これってどうしたらいいですか?」「これで間違っていませんか?」「これで合っていますか?」という、相手に「答え」を求める言葉です。
例えば、今の会社を辞めて起業したいと思っている人に「絶対に成功しますから、大丈夫です!」と言ったらどうでしょうか?
「成功する」という「答え」があれば、会社をすぐに辞めることができるのではないでしょうか。
答えがあることを実践するのは、チャレンジとは言いません。
どうなるかわからないことに対して「チャレンジ」と言うのです。
さて、この「答え」について。
日本人は、常に「答え」を求めて翻弄していると言ってもよいでしょう。
なぜなら小学生の時から「テストの点数が高い」=「いい子」と評価され、答え(正解)を求められて育ってきたからからです。
決まった答えが「ある」のが当たり前になっています。
あくまでも学校のテストというのは、学んだ能力が定着しているのかを判断するという意図がありますので、評価の基準に照らして「答え」というものが最初から「ある」のです。
これは、あくまでも教科書に準拠した「答え」です。
しかし、私たちの生活は教科書通りにはいきません。
よく真面目な新米ママが「育児書通りに子どもは育たない」と嘆きますが、その通りであり、教科書通りにいかないのが「大人の世界」なのです。
やりたいこと(願望、理想、目標)があるのに、チャレンジできないというのは、「答え」がわからなくて不安になるからです。
成功するのか失敗するのかわからないし、仮に失敗したら自分が責任を取らないといけない・・・。
チャレンジにオマケとして一緒にくっ付いてくるのが「不安」ですね。
だから、いざとなったらチャレンジすることから逃げてしまう人が多く、背水の陣でやってみるという「勇気」のある人は極少数なのです。
願望を実現するには、勇気を出して何かにチャレンジして「不安」を乗り越えていくしかなく、この「不安」を乗り越えた人が目標を達成し、さらに次のステージへと進んでいけるものです。
まとめると、願望を実現したいと思うならば、勇気のない自分と戦って、不安を乗り越えていくこと。
最大の敵は「自分」ということです。
私も、自分と戦ってこれからも進んでいきます。
コメント