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絶対やってはいけないチームマネジメント

こんにちは、山田です。

なんか年末のダウンタウンの番組みたいなタイトルになってしまいました。

いろいろな組織に関わらせていただいていて思うことは、実務上は中間マネージャーの質が組織の仕事の質を決めていくなぁ、というところ。

この階層は、その役割に適応出来る人とそうでない人の差が顕著にでるところで、困ったこともいろいろ起きてきます。

世間的に問題になっている「パワハラ」とか、そういう顕在化している問題については、(もちろん「人権」にも関わる大事な問題ではありますが)実は対処は結構簡単。

「ある視点」でその人を見ていくことで、改善への筋道を作っていくことが出来ます(実際、私自身、多くのパワハラ案件を解決してきました)。

でもね、ホントの問題は見えない問題。かつ、一見すると誰も困っていないという状況なんです。

あるんですよ、そういうの。

というのも、中間マネージャーが、短期的にチームマネジメントを機能させようと思ったら、その方法は簡単です。

上層部を仮想敵にして「自分は部下を守っている」というスタンスを取れば良い。

この状態、上層部からみるとその人は「困った中間リーダー」ですが、部下から見える景色は、この中間リーダーは部下にとって「自分の事を守ってくれる良い人」であり「異動してもらったら困る人」です。

こうして、中間リーダーと部下の不健全な共謀関係は築き上げられていきます(360°フィードバックにも問題は現れてきません)。

でも、長期的な観点でみると、その部下は「ぬるま湯」の中で育てられたようなもので、何も鍛えられていないし「生きぬく力」「仕事で価値を出す力」は何も育まれていません。

ゆくゆくは苦労するし「使えない残念な人」になってしまいます。

そして、そういう生ぬるい関係性を通じて、徐々に組織の土台は溶けていき、企業は腐っていきます。

その影響は後代にも及ぶもので、絶対にこんなことしてはいけません。

正面切っては言いませんが、心の中ではまだ強引にでも結果を出させようとするパワハラ上司の方が根は誠実なんじゃないか、と思ったりする事もあります。

すみません、いささか愚痴っぽくなってきました。

ここで私が本当に言いたいことは、そういう愚痴めいた話ではなく、こうやって組織の土台を腐らせる中間リーダーも、悪気があってやっているのではないということ。

実際、チームマネジメントのスタイルを指摘されても何を言われているのか理解出来ないケースも多いようです。

なぜなら、今、この瞬間、問題は起きていないから。

悪気なくそういう不健全なことをやってしまう理由は、本人さえも気づけないもっと潜在的なところに本当の理由があるからです。

そして「潜在的」にも深さがあり、様々な階層に様々な要因はあります。

さらに突き詰めると、究極的な原因は、何かを「正しい」といえば、その裏で「それ以外のものは正しくない」という意味を自動的に発生させてしまう「言葉」というものの性質そのものだったりします。

このあたりは現代哲学のコンセプトになってくるのですが、いずれにしましても、どの程度、問題を深いところから定義して、物事にアプローチしていけるか。
 
当コミュニティでも「メタ認知」とか「俯瞰」といった言葉が語られておりますが、それこそが、仕事の質を大きく左右する要因だと私は思い、こうして哲学の学習を深めています。
 
それでは、またお会いしましょう。

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この記事を書いた人

クレメンティア代表世話人及び「西洋哲学塾」塾長。

普段は「エグゼクティブコーチ」として、上場企業から気鋭のベンチャー企業までシニアリーダーのリーダーシップ学習を支援。現代哲学に基づくクライアント自身の視座が上がるコーチングが特徴。「東京哲学会議」特別貢献会員。

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